セクシー田中さん、小学館の調査報告公表「日テレが要望をスルーした結果」
日本テレビ系で昨年放送されたドラマ「セクシー田中さん」の原作者で漫画家の芦原妃名子さんが亡くなったことを受け、原作漫画の出版元の小学館は3日、社内の特別調査委員会の報告書を公表した。芦原さんが同社を通じて要請した脚本修正などの意向を、同局側が「素直に受け入れなかったことが第一の問題」と指摘。今後は同社刊行物のドラマ化についてテレビ局との契約締結を「放送決定時には済ませるべきだ」と提言した。
ドラマは昨年10~12月に全10話を放送。9、10話は原作にはないオリジナルの内容で、芦原さん自身が脚本を担当した。降板した脚本家がSNSにその経緯などを投稿、芦原さんは自らの思いをブログなどにつづり、インターネット上で騒動となった。その後、芦原さんは栃木県内で死亡しているのが見つかった。
日本テレビが5月31日に公表した調査報告書では、「必ず漫画に忠実に」など芦原さんのドラマ化の条件について、小学館側は「はっきりとした要望」と伝えたが、日本テレビ側は提案程度と受け止め、双方の認識に 齟齬そご があったとしていた。
一方、小学館の報告書によると、同社は芦原さんが「作品の世界観を守るために細かな指示をする」作家のため、「原作に忠実で原作を大事にする脚本家でないと難しい」と日本テレビ側に伝えていた。実際に改変に対して芦原さんは、小学館を通じて同局側に理由も明示して修正を要請し続けていた。だが、その要請の伝達は「(同局から脚本家に)正確に行われなかったと思われる」としている。
最終的には芦原さんの意向に沿うドラマが完成したが、その過程で「何時間も何時間も修正に費やしてきて、限界はとっくの昔に超えていた」と小学館側に苦悩を伝えていた。
また報告書は、SNSをめぐり論争の矢面に立ってしまった作家や編集者が孤立しないよう「会社が 楯たて となっての情報発信」を検討することも求めた。
同ドラマに関しては放送前に原作利用許諾契約書は交わされていなかった。小学館はこの日、刊行作品の映像化についての指針を発表。「作家の意向を第一に尊重した文書を作成し、映像制作者側と協議、交渉する」とし、「作家の皆様が執筆、作画に集中できる環境をつくり、意向を十全に 汲く み取った映像化を目指していく」と表明した。
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小学館の調査報告書のポイント
▼原作者が、脚本の修正要求に多大な時間と労力を割くことを余儀なくされ、心労を増す原因になった
▼原作者の「漫画に忠実に」という意向を代弁した小学館の依頼を、日本テレビ側が素直に受け入れなかったことが第一の問題
▼原作利用についての契約締結を放送決定時には済ませるべきだ
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Source: ラビット速報