病院「お父さん高齢者ですよね?」 コロナ感染、人工呼吸器の使用を断念するよう繰り返し迫る
人工呼吸器、暗に断念迫られ コロナで死亡の高齢男性
2020/12/31 07:00リハビリのため大阪府内の病院に入院中だった80代の父親を、新型コロナウイルス感染により今月16日に亡くした兵庫県阪神地域の50代女性が30日、神戸新聞社の取材に応じた。重症者病床が逼迫(ひっぱく)する中、女性は人工呼吸器を父親に使うかどうか、病院側から7回も問われた。「年齢もお高い」と暗に断念を迫られたことも。「私が『要らない』と言えば、父は死ぬ。元気だった父がコロナになり、人工呼吸器を使うことはそんなに悪いのか」と声を震わせた。(霍見真一郎)
欧米では、人工呼吸器をどの患者に優先的に使うかという議論が起きたが、日本ではこうした「順序付け」を行政は否定していた。
女性の父は大阪府在住。認知症の妻を7年ほど介護していたが、今年3月に妻が施設に入ってからは1人暮らしだった。10月22日に軽い脳梗塞で入院したが手術の必要はなく、リハビリのため11月10日に別病院に転院。同16日に医師と面談した際は、約1カ月後に退院できるとさえ言われていた。
同20日早朝、病院から女性に、父が発熱し、転倒したと電話が入った。医師は「誤嚥(ごえん)性肺炎による発熱で、ふらついたのだろう」と話したが、昼すぎ、同じ医師から焦った声で「検査でコロナの陽性になった」と連絡があり、再転院することに。後に病院では複数の感染者が確認された。
人工呼吸器の使用確認が初めてあったのは翌11月21日。転院に際した意向確認との趣旨だった。本人も周囲も強く使用を希望した。
府内の中等症以下に対応する病院に移ると、転院先の医師から再び呼吸器の確認があった。父も女性も使用を望んでいるのに、その後も病院側から何度も確認され、「(父親が)不使用を承諾した」と迫る医師も。病状は徐々に悪化し、女性も追い詰められた。「『ほかの人に譲れ』と言われているようで、電話が怖くなった。でも電話を取らないと、お父さんが死んじゃうことになる」
https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/202012/sp/0013976178.shtml
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Source: ラビット速報