ヴォイテク:戦争に行った兵隊クマ。御褒美は大好物のビール(ポーランド軍)
ナポリ港に駐在していた英国の役人アーチボールド・ブラウンは、手にしている名簿を見やり、その名を呼んだ――「ヴォイテク伍長」と。だが前に出る者はなかった。
1944年2月半ばのことだ。ブラウンはエジプト、アレキサンドリアから到着したばかりのポーランド兵部隊をドイツ・イタリア軍と戦う連合軍への援軍とする手続きを手伝うためにナポリに来ていた。その仕事の1つが名簿を確認し、到着したばかりの兵士と会話することだった。
ブラウンはもう一度名簿を確認した。間違いなくヴォイテクという名はある。軍籍番号と軍隊手帳もある。だが本人はどこにもいない。すると大佐が楽しそうな顔で歩み出て、ブラウンに檻を見せた。中にはシリアヒグマの成獣がいた。大佐はヴォイテク伍長だと説明した。
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Source: カラパイア