記者「おっ藤井聡太くん、上座にどうぞ」 藤井七段「はい」 記者「えっ(ガキが…記事にしたろ)」
「藤井さんはどっちに座るんでしょうか?」。対談前の検分でカメラマンから素朴な質問を受けた筆者は「下座でしょ。去年もそうだったけど、彼は年長者をたてる棋士だから」と即答した。つまり掛け軸を背にするのは加藤アナ。間違いない。おそらく鼻の穴を膨らませて自信たっぷりの表情だったのだろう。カメラマンは寸分の疑いもなく下座に藤井七段が着座すると想定した撮影準備を始めた。
約束の時間ちょうどに入室した主役と軽くあいさつ。さあ始めましょうかという段階になって、筆者は何気なくこんな質問を投げかけた。「藤井さん、今回は上座でいかがですか?」と。
いやあ、特に他意はなかったんですよ。「あっ、いえいえ、下座で構わないです」という返事を想定したうえでの問いかけだったので。ところが、ここからが想定外。「そう…ですね……」と考慮すること3、4秒。「では…」と、上座に向かったではないか。
え?
筆者以上に驚いたのはカメラマンだったはず。当初の予定とは全く逆の構図になるのだから。大慌てでポジションチェンジ。右往左往させて大変申し訳ない。
それにしても、なぜ藤井七段は上座を選んだのか。よく考えればこれ、自然な「一手」だ。昨年の取材時は四段だったから、実際の対局でもほとんどが下座。だが2018年はあっという間に七段へと出世したため、上座を占める姿を見る機会が圧倒的に増えた。今回の選択にはそんな事情があったに違いない。加藤アナの繰り出す質問によどみなく答える藤井七段の姿を拝見しながら、この1年の成長ぶりを濃密に感じた1時間。それでもまだ彼は16歳なんだよな…。
https://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2019/01/06/kiji/20190105s000413F2253000c.html
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Source: 妹はVIPPER